INTRODUCTION

現実とは微妙に異なった歴史を歩んだ現代日本。そこには巨大な異能の力を持つ7人の《王》が存在していた。彼らは自らの力を分け与えたクランズマンたちと共にクランを形成する。青く結晶する秩序、荒ぶる赤き炎、白銀に輝く不変、そして、緑に枝分かれする変革。それぞれの属性を持つ《王》たちは今――

青のクラン《セプター4》を率いる《青の王》宗像礼司は多くの重責を担っていた。《黄金の王》國常路大覚の管理下にあった御柱タワーおよび、《王》を生む謎の聖遺物であるドレスデン石盤も、今では宗像礼司の下にある。そして先代《赤の王》周防尊を殺めたことにより生じた《王》殺しの負荷。一方、赤のクラン《吠舞羅》のクランズマンであった櫛名アンナは、緑のクラン《jungle》による御柱タワー襲撃を経て、新たな《赤の王》として覚醒し、《吠舞羅》の仲間たちと再び強固な絆を結んでいた。そして白銀のクランズマン、ネコと夜刀神狗朗は、《白銀の王》伊佐那社の生存を信じ、彼の行方を探している。しかし《白銀の王》を探しているのは彼らだけではなかった。《緑の王》比水流もまた――活性化する《jungle》の動きをきっかけに、再び《王》たちの運命がより合わさる。

2012年10月にテレビアニメーション第1期「K」が放送され、2014年7月に劇場版「K MISSING KINGS」が全国で上映されたオリジナルアニメーション「K」シリーズ。独特の世界観、繊細で華麗なビジュアル、洗練されたアクション、個性豊かなキャラクターたちとその関係性、緻密でありながらも大胆に組み上げられたストーリーなどあらゆる要素が組み合わさった本作は多くのファンを魅了した。そして、2015年10月より第1期、劇場版のその後を描いた「K RETURN OF KINGS」がテレビアニメーション第2期として放送される。《王》殺しの負荷だけでなく、さらなる重責を担うことになった《青の王》宗像礼司。新たな《赤の王》として《吠舞羅》を率いていく櫛名アンナ。劇場版では姿を見せなかった《緑の王》比水流。そして未だ行方知れずのままである《白銀の王》伊佐那社。それぞれの思惑、運命が交錯し、《王》たちの物語はさらなる展開を見せていく。第1期、劇場版に引き続き、原作・脚本を宮沢龍生、あざの耕平、鈴木鈴、来楽零、古橋秀之、高橋弥七郎、壁井ユカコという小説家7人により構成された「GoRA」が担当する。それぞれの個性がぶつかり合い、組み上げられていく脚本は本作でも魅力的だ。アニメーション制作も第1期、劇場版に引き続き、実力派スタジオ「GoHands」が担当し、鈴木信吾が監督・キャラクターデザインを、古田誠が総作画監督を務める。劇場版でも見せた激しくも美しいビジュアルは本作においても健在。抜群の相性を見せたスタッフたちが、一層クオリティを増して本作を作り上げている。

ますます広がりと深みを増していく「K」の世界はアニメに限らず、講談社『ARIA』『ハツキス』、スクウェア・エニックス『Gファンタジー』においてコミカライズが、講談社BOXにおいてノベライズがそれぞれ展開されている。「K RETURN OF KINGS」もまた新しい魅力を生み出していく作品となるだろう。